ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)感染症について

 

  • 保険でピロリ菌検査や治療をするには胃癌が発病していないことの確認のため胃カメラが必要。
  • バリウムによる胃X線では平たい癌を見つけにくいため不十分(早期胃癌は無症状)。
  • 胃カメラは同じ医療機関でなくてもよく、人間ドックなどでもいい。
  • 検診やドック等で先にピロリ菌感染が確認されていても治療前には胃カメラが必要。

 

<感染のしかた>

  • 胃の働きの未完成な子供のころに口から感染したものが多いとされている。
  • 大人が日常生活で感染することはあまりない。

 

<日本人のピロリ菌感染率>

  • 日本人は外国と比べて感染者が非常に多い。
  • 60歳以上…65%以上の方に感染(3人に2人以上)。
  • 50歳…約50% 40歳…約30% 20歳…約15%(2010年ころの統計)
  • 年齢とともに感染していくわけではないので、今後感染者数は減少していく。

 

<ピロリ菌関連の病気>

 (多くの方は無症状)

  • 胃炎…40歳以上の方の多くが萎縮性胃炎となる。(胃炎自体の治療は原則不要)
  • 胃・十二指腸潰瘍(かいよう)…感染者全体の約3%に発生(感染者100人中3人)。逆に潰瘍患者の約90%にピロリ菌が感染している。
  • 胃癌(がん)…10年間で感染者の約3%に発生(感染者100人中3人)。逆に胃癌患者の約98%にピロリ菌が感染していて、胃癌は毎年十数万人みつかる。身内に胃癌の方がいると胃癌になる確率はやや上がる。
  • その他…胃ポリープ、一部のリンパ腫(MALTリンパ腫)、特発性血小板減少性紫斑病など。

 

<ピロリ菌の検査法(診断と除菌判定)>

  • 胃の組織をとる検査や呼気法、血液検査、尿検査、便検査。
  • 当院では費用が安価で検査の精度が高く、体への負担や内服薬の影響のない便抗原検査法を行う。

 

<治療>

  • 朝夜5個(胃薬1種、抗生物質2種)ずつ1日10個を1週間飲む治療。
  • 初回(一次)除菌治療の除菌(成功)率は約80%。
  • 失敗した場合は薬の組み合わせを変えて再(二次)除菌治療(除菌率は約90%)。
  • 治療中やその前後にタバコを吸うと治療効果が下がる。
  • 十二指腸潰瘍と花粉症の方は除菌率がやや下がる。
  • 通常使用する胃薬やかぜの悪化等で使用する抗生物質だが、一部の方が下痢や湿疹などの副作用が出ることがある。(軽度であれば飲みきってしまった方がいい)

<治療後>

  • 除菌が成功した方の10%に胃酸の逆流症状(あるいはその悪化)がおこる。
  • 症状…胸やけ、もたれ感、つかえ感、重い感じ、おくび(げっぷ)、背の張りなど。ピロリ菌がアルカリ性のアンモニアを出すため、いなくなると胃酸が濃くなる。多くの方は除菌後一時的で済むが、胃薬を使用する頻度が増えてしまう方もいる。
  • 逆にピロリ胃炎の改善により、元々不快感のあった方で除菌後に改善する方もいる。
  • 除菌の判定は内服終了後2か月で当院では診断時と同じ便検査法を行う。
  • 除菌の成功した方が再感染することはあまりない(井戸水でもほとんど問題なし)。
  • 胃癌は半分以下、潰瘍は10分の1以下に減るが、年齢が上がるほど予防効果も下がる。
  • ピロリ菌感染した方は除菌が成功しても定期的な胃の検査は必要。

 

 

禁煙治療について

 

<喫煙の弊害>

  • 発がん性、動脈硬化(脳いっ血・心筋梗塞)、肺気腫や喘息などの呼吸障害、 胃・十二指腸潰瘍、認知症、皮膚の老化など。治療する方には日本循環器学会編禁煙ガイドブックを差し上げます。

 

<治療の流れ>

  • 当院では主に飲み薬を使用しますが、最初2週おきに3回、その後4週後にもう一度来院して頂き、合計4回12週間治療します。通院の度に呼気一酸化炭素濃度を測定します。費用は通院の度に多少変わりますが、毎日1箱以上喫煙する方ではタバコ代よりかかりません。自力で禁煙を頑張る場合と比べて、ガム製剤や貼り薬は2倍、飲み薬は3倍成功するといわれています。ただし、通院を途中でやめると成功率が半分になるといわれています。当院では初回から診察予約が出来ます。

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経鼻内視鏡(鼻から入れる胃カメラ)について

 

経鼻内視鏡(鼻から入れる胃カメラ)と経口内視鏡(口から入れる胃カメラ)の比較

 

カメラが細くて(直径は鼻用が5.5ミリ、口用が7.9ミリ)鼻から入ることによって

<利 点>

  • カメラが入る時や入った後の嘔吐反射(ゲーッとなる吐き気)が少ない
  • 検査中でも話ができる。(口用では会話はできません)
  • 胃の動きを止める肩の注射がいらない。 

<弱 点>

  • 画質が劣る。(口用の方がより小さな病変や微妙な病変が見つけやすい)
  • がんやポリープなどから組織をとる精密検査(生検)の行いにくい場所がある。(口用では原則として全ての場所から組織をとることができる)
  • 鼻の違和感や痛みが出ることがあり、まれに鼻血が出ることもある。(特に鼻炎の方)
 
  • まずどちらか悩んでいる方は、口用の方が検査の条件が良いため、口用の方がお勧めです。口用のカメラも以前よりはかなり細くなっています。
  • 苦痛だけを考えると、鼻の穴の問題がなければ鼻からの方が楽方が多いです。 
  • 口からの胃カメラがつらくて、そのために検査が受けにくい方であれば、弱点のことがあったとしても検査ができる方がよいわけですから鼻からの胃カメラをお勧めします。今まで鎮静剤を使っていた方でも、鼻用であれば使わずに済むかもしれません。
  • 胃カメラが初めての方で恐怖心が強い場合も鼻用はお勧めです。

 <鼻からの胃カメラができない場合>

  • 鼻の穴が細すぎる方(花粉症などの鼻づまりタイプの鼻炎など)
  • 鼻に 使用する麻酔薬のアレルギーがある方
  • 鼻血の出やすい方や血の止まりにくい薬を飲んでいる方も注意が必要です。

当院で使用している内視鏡のメーカー(オリンパス)のウェブサイトです。 

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風邪(かぜ)と風呂の関係

 

 風邪を引いたら風呂はいけないのでしょうか。これを調べた先生がいました。風邪の時に風呂に入った人と入らなかった人とをくらべたら、風邪の症状が出ている期間に差はなく、合併症も増えませんでした。つまり風呂で風邪は悪化しないのです。また風呂に入った人の多くは「さっぱりした」「あせもが改善した」「よく眠れた」などと感じ、逆に入らなかった人の多くは「べとべとする」「体がにおう」「あせもやしっしんが増えた」「寝苦しかった」などの不快感を訴えました。風呂の蒸気はのどに湿り気を与え、体を清潔にして新陳代謝を高めます。一方で、熱い風呂に長く入り過ぎると健康な時以上に体力をとられます。また湯冷めもいけません。つまり、風邪を引いても、風呂に入る元気があれば、熱の有無に関係なく、入った方が楽なのです。 ただし熱い風呂と長湯、湯冷めは避けましょう。当然ぐったりしている時に入る必要はありません。これは大人も子供も同じです。